新刊情報 ★★★★『公衆衛生看護活動論 技術演習 第2版』

kousyueiseikangokatudouron 第2版の出版にあたり,地域診断・成人期保健活動の章を加え,家庭訪問・母子保健活動・退院支援および生活習慣の見直しと行動変容を支える保健指導を追加し,内容の充実を図りました。

本書の構成と特徴


本書の前半では,家庭訪問,健康教育,地区組織活動,地域診断など公衆衛生看護活動で用いる基本技術について,事例演習に基づき展開しています。後半では,母子保健,成人保健,高齢者保健,結核感染症,難病,精神などの対象別の援助活動です。どこから取り組んでいただいても結構です。
 本書の特徴は,事例を提示した演習で構成していることです。演習課題について考えるために必要な知識や考え方を記載しています。事例を通じて学生のみなさんが,様々な個人や家族,集団や地域への活動展開について考えることができ,保健師の活動は何であるかを学びます。また,対象に応じた実践方法を自ら考え,支援方法を導き出すことで,保健師としての活動技術や状況判断能力が向上すると思います。

各章の基本的な構成

①学習のねらい:学習目標を示しています。

②事例:学習のねらいを達成するための事例を提示しています。
③演習課題:事例をもとに学生のみなさんが考えていただきたい内容を示しています。
④演習課題を考えるために必要な知識を記載しています。
⑤解答例
⑥追加知識
となっています。
 ただし,事例や演習課題の特徴によって異なる構成となっている箇所もいくつかあります。

本書の使い方

学生のみなさんは,事例と演習課題をよく読み,自分なりに考えてみましょう。解答が思い浮かばなければ,④の演習課題を考えるために必要な知識を読み,事例にあてはめて考えてみましょう。そして,⑤解答例を読みましょう。

 解答例については,関わり方の一例を示しているものですが,保健師が関わる多様な事例を支援する方法は一つではありません。一つの方法が 100%正解ではありません。みなさんが考えられた様々な方法は,援助内容として間違っていないはずです。解答例は,あくまで一つの例として捉えてください。

 学生の皆さんが,学生時代に講義や実習で経験できる保健師の活動事例は多くないと思います。特に支援困難ケースや感染症等のケースについては,臨地実習において,直接学生が訪問して支援することが困難です。本書では,保健師を志すみなさんができるだけ多くの事例に接する機会を持ち,単に援助の方法を知識として‘知る’だけではなく,自分で“考える”というプロセスを通して,“疑似的に学ぶ”ことを意図しています。自分自身の頭で,事例の立場に立って考えるということが,保健師にとってとても重要なことだと思います。看護について学ぶテキストには,一定の症状別の看護内容をマニュアル化したものが多くみられますが,保健師の活動の多くはマニュアルのとおりではありません。地域の特性を見て,対象個々や家族の状況を見て,その状況に合った援助を提供していくからです。もしかすると10 人の保健師がいれば,10人は異なる援助方法を考えることもあるかもしれません。
 
 2010年に本書の初版を発行した時点においては,ほとんどの大学において全員の学生が保健師と看護師の両方の国家試験受験資格を得ることができ,保健師に特化した技術教育に多くの時間を費やすことが難しい現状にありました。しかしその後,保健師の教育の充実が議論され,平成23年から保健師助産師看護師法の改正により保健師の教育期間が6か月から1年に延長され,また科目の名称も「地域看護」から「公衆衛生看護」に改められました。多くの大学で保健師の国家試験受験資格を得るための単位は選択制もしくは大学院において教育されることとなり,保健師として知識・技術の向上が図られることが期待されています。本書は,そのような保健師に対する教育カリキュラムの変化に対応できるものになっています。
 
 改正カリキュラムにおける「個人・家族・集団・組織の支援」「公衆衛生看護活動展開論」の教育内容が示されていますが,それに該当する内容となっています。保健師は,対象(個別・集団・地域)に合わせた支援方法を生み出す,創造的な仕事をする専門職であると思います。したがって,保健師を志すみなさんが,多くの事例にあたって関わり方を考え,身に付けていくことがたいへん重要です。また,単に暗記したことはすぐに忘れますが,自分の頭で苦しみながら考え導き出したことは自分自身に身についていくと思います。保健師を志す学生のみなさんが,本書を授業の教科書としてだけではなく,保健師の活動を自己学習で学べる教材としても活用していただくことを期待しています。
(第2版「序」より)
2013年12 月24 日

編者一同 

 


目次

第1章    家庭訪問
A.家庭訪問における基本的技術
B.家族支援方法―家庭訪問―
C.家族支援

第2章    健康相談
A.個別健康相演習
B.個別健康相談のすすめ方

第3章    健康教育
A.健康教育(集団)の展開
B.健康教育の理論活用演習
C.プリシード・プロシードモデル活用による健康教育

第4章    グループ組織活動
A.グループ支援
B.地域組織活動の支援

第5章    地域診断演習
A.外国人母の育児支援を通して行う地域診断演習
B.地域診断―母子の健康課題から診る

第6章    母子保健活動
A.近年の親子を取り巻く環境とニーズ
B.個別の親と子の全員に行き渡る支援
C.地域に向けた育児支援
D.地域に向けた育児支援
E.ハイリスク児など問題を抱える親子への支援

第7章    成人期保健活動
A.成人期保健活動
B.地域での取り組み
C.生活習慣病ハイリスク者への個別支援

第8章    高齢者保健活動
A.高齢者保健活動の背景
B.健康高齢者に対する支援
C.虚弱高齢者への支援
D.要支援高齢者への支援
E.要介護高齢者に対する支援

第9章 感染症保健活動
A.感染症対策
B.発生時対応
C.平常時対応
D.結核対策
E.結核患者退院支援
F.エイズ,性感染症

第10章 難病保健活動
A.難病対策とさまざまな事業
B.難病患者及び家族への保健師の援助
C.地域ケアシステム構築と保健師

第11章 精神保健福祉活動
A.地域精神保健福祉活動
B.精神保健に関する個別ケース相談の特性
C.精神保健領域の健康課題をもつケースへの個別の支援活動(受療支援)

第 12 章 自分のまわりの公衆衛生看護活動を考えてみよう
A.行政のしくみと公衆衛生看護活動論
B.生活習慣の見直しと行動変容を支える保健指導




編集

岩本 里織 徳島大学教授
北村 眞弓 藤田保健衛生大学准教授
標 美奈子 慶應義塾大学准教授
草野恵美子 大阪医科大学准教授

執筆 (五十音順)

岩本 里織 徳島大学教授
大木 幸子 杏林大学教授
金子 仁子 慶應義塾大学教授
北村 眞弓 藤田保健衛生大学准教授
草野恵美子 大阪医科大学准教授
工藤 恵子 帝京平成大学教授
標 美奈子 慶應義塾大学准教授
中山貴美子 神戸大学准教授
野原 真理 つくば国際大学教授
林  友紗 東邦大学大学院医学系研究科 博士課程
速水 裕子 甲南女子大学助教
古田加代子 愛知県立大学准教授
森田  桂 杏林大学講師
山口  忍 茨城県立医療大学教授
山口 佳子 杏林大学准教授
渡部 月子 神奈川県立保健福祉大学准教授

 

価格 3200円(本体)+税

ISBN978-4-904363-41-6 C3047 ¥3200E


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