新刊情報 ★★★★『公衆衛生看護学演習・実習(地域ケア実習)~ソーシャルキャピタルの醸成を目指して~』

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  地域の保健活動は時代の変化と共にその重要性を増しています。
 平成24年には,「地域保健対策推進に関する基本的な指針」が改正され,ソーシャルキャピタルを活用した住民による自助および共助への支援の推進,地域の特性を活かした保健と福祉の健康なまちづくりの推進等多様な保健活動が提示されています。また,地域の保健事業を担っている保健師の業務について,予防的介入の重視,地区活動に立脚した活動の展開,総括的な役割を担う保健師の位置づけ等が地域保健総合推進事業報告書より提言されました。
 平成25年には「保健師活動指針」を改正し,保健師の保健活動の基本的方向性,地区担当制の推進,保健師の総括的な役割および活動領域に応じた保健活動の推進などを定めています。

  一方で,保健師教育は,平成22年改正保健師指定規則により,公衆衛生看護関連科目28単位以上,公衆衛生看護実習として5単位が明記された。すなわち,大学の講義や演習・実習においても保健師教育課程のさらなる充実と卒業時到達能力の醸成が求められています。

 卒業後は保健師としての高い専門性を求められるため,学部の基礎教育では,講義・演習・実習で段階的に学び,充実した学修に向けて取り組んでいくことが必要です。これまでも,理論と事例を提供する教科書はありましたが,より実践的で地域づくりを具体的に指南する教科書の必要性を感じていました。
 そのような中,日本赤十字広島看護大学では,大学のある廿日市市との包括協定を結び,地域住民とふれあいながら,地域の健康課題や強みを見出しながら住民と共に学ぶ実習に取り組んでおり,教育効果を強く感じています。
今回は,その実習に向けた準備と実習の展開方法について,具体的に記述しました。すなわち,地域診断を行い,既存統計,地区踏査や住民からのインタビューにより,地域の健康課題と強みを明確にしていきました。次に実習の展開方法として,地域診断を行いながら,個別の家庭訪問や健康相談,集団のサロンでの健康教育を実施しました。最終的にはそれらの学びを学内発表会で共有化し,統合いたします。
 
この活動を通して,ソーシャルキャピタルの醸成に向けた保健活動につながることを願っています。

--本書の構成--
本書の前半では,公衆衛生看護学実習(地域ケア実習)について,全体的な流れを示しています。
実習の事前学習として,既存資料を用いて収集し,グラフにするなど保健統計の視点での準備を行います。地区踏査を行い,地区マップを作成し,コミュニティアズパートナーモデルで分析します。その具体的な方法を参考にしてください。質的データとして,地域住民への聞き取り調査(フォーカスグループインタビュー)を行います。これも実践に基づく手法を書いています。その後,家庭訪問を個別に実施し,地域資源を活用しての実習・発表をいたします。最後に学生の実習での学びを示しています。

--本書の使い方・特色--
学生さんは,演習や実習の準備から本書を活用してください。地域診断など具体的な展開方法が通常わかりにくかった部分を丁寧に記述しています。公衆衛生看護学概論,保健統計,公衆衛生看護活動展開論・および・の講義・演習において,また公衆衛生看護学実習・および・(地域ケア実習も含む)での事前準備に大いに活用してほしいと思います。
また,教科書としてだけでなく,これからのソーシャルキャピタルの醸成を目指す保健師活動を実施されている保健師さん方の自己研鑽のための参考資料としてご活用いただければ幸甚です。
                                                                                            「はじめに」より


********目次********

第1章 公衆衛生看護学実習(地域ケア実習)とは
1.事前準備
2.実施および参加内容
3.まとめとしての学内発表会

第2章 事前学習─既存資料の収集
1.人口と世帯
2.健康の状況
3.地理的環境
4.統計資料の活用
5.乳児死亡率
6.経時的な推移を観察する視点
7.演習(1)乳児死亡率年次推移
【e-Statによる統計資料作成手順 その1】
8.統計指標
9.演習(2)母子保健評価指標作成
【e-Statによる統計資料作成手順 その2】
【e-Statによる統計資料作成手順 その3】

第3章 地区踏査・地区マップの作成
表1 コミュニティ・アズ・パートナーモデルをもとに学生が収集した地域の情報1
表2 コミュニティ・アズ・パートナーモデルをもとに学生が収集した地域の情報2

第4章 地域住民への聞き取り調査(フォーカスグループインタビュー)
■フォーカスグループインタビューの実際
1.目的
2.方法
3.結果
4.まとめ
フォーカスグループインタビューでの住民の声

第5章 家庭訪問

第6章 地域資源を活用しての実習・発表
1.地区組織活動での実習(各種サロン活動へ参加)
2.健康教育・健康相談の実施
3.地域診断と学内発表会

第7章 学生,住民,行政とのワークショップ
1.目的
2.日時・場所
3.参加者
4.方法及び結果
 1 健康課題に関する具体的な解決策の検討
 2 阿品台いきいきプロジェクト行動計画の立案

第8章 実習からの学び
1.参加実績
2.学生の学びの把握方法
3.実習の学び

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執筆者*********
眞崎 直子 日本赤十字広島看護大学 地域看護学領域 教授
松原みゆき 日本赤十字広島看護大学 地域看護学領域 講師
森本千代子 日本赤十字広島看護大学 地域看護学領域 助教
林 真二  日本赤十字広島看護大学 地域看護学領域 助教
福泉麻衣子 日本赤十字広島看護大学 非常勤専門員

価格 2600円(本体)+税

ISBN 978-4-904363-47-8 C3047 ¥2600E

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