新刊情報 ★★★★『在宅看護過程演習ーアセスメント・統合・看護計画から実施・評価へ』

zaitakukanngokatei  昨今の社会状況では高齢化が進み,入院期間の短縮,在宅医療の推進等の背景により,在宅ケアおよび在宅看護に対する社会のニーズは高まっています。 

 1997年カリキュラム改正により,看護の一つの領域として在宅看護論が位置づけられました。さらに2009年カリキュラム改正により,看護の統合と実践のため,「在宅看護論」が統合科目に位置づけられました。講義・演習・実習の一連の看護学基礎教育の重要性が指摘されており,特に在宅看護を実践するという学習のなかで,基本となる看護過程の展開能力をいかに培っていくかは重要な部分であると考えます。

 著者らは,在宅看護に関する科目を教授する上で,在宅看護過程あるいはアセスメントに関する参考図書が未だ少ないこと,市内の同じ訪問看護ステーションへ複数の看護系教育機関が実習していますが,使用している看護過程記録の様式も内容も様々である,という現状を把握しました。そこから,看護過程の図書が1冊あるととても便利であり活用してみたいという話に発展しました。

 はじめから,各大学によって記録様式も記録内容も異なりディスカッションのなかでは看護過程の要素である看護目標,期待される成果,看護計画など使用する用語と概念について意見が分かれる部分もあり,果たして一つにまとまるのかと危惧することもありました。
 それでも,最終的には在宅における看護過程を展開する上での療養者および家族の生活を視る,捉える,理解しようとする根底となる価値観,基本的な考え方は同じではないかという結論へ至りました。その結果が本書となります。本書でのアセスメント枠組みや用語の用い方など未だ発展途上でありますが,今まで自分たちが教授してきたことをまず形にしましたので,ぜひ,在宅看護の実践の場でご活用いただき,皆様のご意見をいただけると幸いです。この本の著者は,本書のコンセプトに賛同いただいた在宅の看護教育にたずさわっている方々です。講義から,演習,実習,実践をとおして初学者が活用しやすいものを目指して作成しました。

○本書の特徴
 在宅看護における看護過程の基礎的知識,看護過程の展開をわかりやすく章立てして示しています。看護過程の展開ではアセスメントから実施・評価まで順に示しており,その後に訪問時の行動計画・行動評価の章が独立していることも特徴です。訪問時の行動計画・行動評価の章は,初学者あるいは経験が少ない方には必要な内容と思われますので,是非ご活用ください。
アセスメントについては在宅看護領域の特徴をふまえてアセスメントとは何か,アセスメントの枠組み,アセスメントの項目と視点について説明し,表を用いてポイントを示しています。
 全体を通して,各章の学習のねらい,各章のポイントを示しています。また,例示や図表を用い,文章もなるべく平易な言葉,表現を用いており,とにかく読みやすくわかりやすくということを心がけました。

○本書の活用方法
 第1~6章までは看護過程の理論編です。各章で独立しているため,どの章から読み始めても,各章で理解できる内容となっております。
第7章は看護過程展開の事例編です。訪問看護の実践の場でよく担当するであろうと思う事例を例示しました。各事例を参考にしていただき,それぞれの個別性に沿って応用していただければと考えます。事例によって若干,書き方が異なっております。その点については,なるべく著者の方に吹き出しや注意書きを入れて,工夫した意図,内容を書いていただきました。短い締め切り設定に無理矢理ご協力いただいた著者の方々,著者らと打合せをして助言していただいたクオリティケアの鴻森氏に深く感謝致します。
                           本書「はじめに」より 2015年2月 編者

********目次********

第1章 在宅看護における看護過程
・在宅看護とは
1.在宅とは
2.在宅ケア
3.在宅看護
4.在宅看護の対象と特徴
・在宅看護過程の概念
1.在宅の看護過程とは
2.看護過程の構成要素
3.在宅看護過程の展開
 1.展開の特徴
 2.看護過程展開のための能力

第2章 在宅看護過程の展開─アセスメント
・在宅看護過程のアセスメント
1.アセスメントとは何か
2.情報の収集・分析・解釈・判断
3.アセスメントの目的
4.アセスメントの視点
・様々なアセスメント枠組み
1.オレムの普遍的なセルフケアの要件(要素)
2.機能別の健康パターン(ゴードン)
3.ICF
・家族のアセスメント
1.家族のアセスメントとは何か
2.家族のアセスメントの枠組み
・アセスメントのための情報収集の項目と視点
1.アセスメントの留意点
2.枠組みのとらえかた
3.項目別のアセスメントポイント
表2─1 在宅看護におけるアセスメントのための情報収集の項目と視点

第3章 アセスメント─統合
・健康課題と統合
1.統合とは
2.全体像とは
3.健康課題とは何か
・統合のポイント
1.情報関連図を用いる
2.健康課題となる情報の特定
健康課題のポイント
1.健康課題の明確化・表現法
2.健康課題の優先順位の基準

第4章 看護計画
・在宅看護計画の位置づけ
・看護目標の設定
1.長期目標
2.短期目標
3.期待される成果
・家庭訪問での援助計画の立案
1.援助内容を挙げる視点
2.家族を一つの単位とした看護計画

第5章 実施・評価
・看護実施のプロセス
1.看護計画とPDCA
2.在宅看護の実施の特徴
3.在宅看護の記録・報告

************執筆者***************
旭川医科大学 医学部看護学科 教授 照井レナ
札幌市立大学 看護学部 大学院看護学研究科 准教授 菊地ひろみ
北海道大学 大学院保健科学研究院 創成看護学分野 講師 青柳道子
北海道大学 大学院保健科学研究院 創成看護学分野 助教 進藤ゆかり
北海道大学 大学院保健科学研究院 基盤看護学分野 准教授 岩本幹子
北海道医療大学 看護福祉学部看護学科 准教授 竹生礼子
医療法人 東札幌病院 訪問看護ステーションみずほ 所長 佐々木雅彦
日本医療大学 保健医療学部看護学科 講師 岡田尚美
札幌医科大学 保健医療学部看護学科 助手 横山まどか
札幌医科大学 保健医療学部看護学科 准教授 上田泉

価格 2800円(本体)+税
ISBN 978-4-904363-46-1 C3047 ¥2800E

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