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音楽療法に実際長く従事している者が集まりこの一覧の工程を文章にしてみることといたしました。松井紀和の著書「音楽療法の実際」には「参加観察」という言葉が紹介されています。自分が音楽におぼれないで、対象者に引き込まれないで冷静にセッションをすすめ、対象者の役にたつことを心がけるように示唆した言葉です。
是非この音楽療法を多くの方々に理解して頂き、音楽家がこの道に目をむけ、世の中の困っている多くの皆さんが幸せになることを、願ってやみません。またこの著書が,そのためのお役の立てるように分かりやすく、様ざまな方面と異なる執筆者が実際に使っている技法を紹介してあります。どの部門も知識からでなく現場体験の上自信のあるものばかりです。特にミュージックセラピスト協会のミュージックサポーター育成、認定の教科書として使用できるようにしてあります。
(笠嶋道子「まえがき」より抜粋)
本書は音楽療法を志す方々の入門書として編纂したものです。ただ、入門書といっても音楽療法の技術的入門書といった性格のものではありません。音楽療法が身近になるように、さらに音楽療法がたまらなく好きになるようにと音楽療法が大好きなものが集まってみなさまを音楽療法に誘うつもりで書いたものです。
(吉川武彦「あとがき」より抜粋)
目次
まえがき
第1章 音楽療法総論
◇音楽療法とは何でしょうか?
◇音楽とはなんでしょうか?
◇音楽の治療道具としての特性
◇音楽療法の定義
◇音楽療法の勉強とは
◇現場で行われている技法の概要
第2章 音楽療法事始めー人の健やかさとその障害についてー
◇「健康」と「健康障害」について
◇病気や障害へのアプローチ
第3章 音楽療法実践の基礎
◇音楽療法の基礎となる発達心理学
◇音楽療法の基礎となる精神医学
◇音楽療法の基礎となる高齢者の心理と病理
◇さまざまなハンディキャップをもった人への働きかけと音楽療法
第4章 治療理論
◇治療理論の概要
◇実践をとおしてどう理論を役立てるか
◇セッションの目標
◇評価について
第5章 概要各論
◇高齢者音楽療法の概要
◇児童音楽療法の概要
◇精神科音楽療法の概要
第6章 セッション技法-現場で喜ばれる技法-
◇児童の個人セッション
◇児童領域の事例より
◇高齢者の身体活動
◇高齢者への口腔刺激や身体活動を中心に
◇高齢者のグループセッションを中心に
◇児童のグループ編-小学生から中学生位まで3~10名程度のグループセッションー
◇学校現場における治療的音楽活動の実践-その意義と方法-
◇精神科長期入院患者の集団セッション
◇精神科病棟での集団セッション
◇総合病院精神科デイケアの集団セッション
第7章 音楽療法音楽技術
◇伴奏法
◇高齢者の楽器活動
◇頭の体操による活性化
◇リトミック
◇歌唱全般
◇ダンスセラピーとボディトーク
◇打楽器の効果的療法
第8章 育成の現場より
◇音楽短期大学音楽療法専攻
◇一般社会人の場合
◇福祉専門学校
◇実習生の指導
あとがき