◇本署の構成と特徴
公衆衛生看護活動で用いる基本技術について、事例演習に基づき展開
◇各章の基本的な構成
① 学習のねらい
② 事例
③ 演習課題
④ 演習課題を考えるために必要な知識
⑤ 解答例
⑥ 追加知識
◇本書の使い方
事例と演習課題、演習課題を考えるために必要な知識をよく読み、事例に当てはめて考える
保健師養成のカリキュラムに関しては、2020(令和2)年に「保健師助産師看護師学校養成所指定規則の一部を改正する省令の公布」がされ、2022年度入学生から保健師に必要な基礎教育単位数が従来の28単位から31単位に増え、保健師教育の強化がなされました。保健師ひとり一人が自らの役割を認識し、社会に貢献できる専門職として成長できるために、保健師基礎教育において、学生たちが基盤を構築していくことが大切と思います。
今回、本書に新たに加えた点が、3点あります。一つは、序章に公衆衛生看護学からみた本書の位置づけを加筆しております。二つ目は、在日外国人が非常に多くなり、公衆衛生看護分野においては特に結核罹患率に影響を及ぼしていることから、感染症保健活動に在日外国人支援を加筆いたしました。また、厚生労働省による通達である「地域における保健師の保健活動について」(平成25年厚生労働省)に示された「地域における保健師の保健活動に関する指針」においては「地区担当制の推進」が示されています。各自治体の活動においても地区担当制に変更している傾向がみられることから、地区活動に関する内容を加えました。
新型コロナウイルス感染症パンデミック発生時には、臨地実習の受け入れが困難になり、学内においてシミュレーションを活用した演習を行った教育機関が多かったようです。本書の公衆衛生看護技術の内容は、事例を中心に展開をしているために、このようなシミュレーション教育や演習の科目への活用することができたと聞いています。
今後も、臨地実習の前に、本書により学内において演習事例を積み重ね、臨地実習においてはさらにリアルな個別・地域活動の事例を経験しながら、学生自身が主体的な実践ができることを期待しています。
《目次》
第 1 章 家庭訪問 草野恵美子
基本的技術/家族支援方法
第 2 章 健康相談 北村真弓
個別健康相談演習/個別健康相談のすすめ方
第 3 章 健康教育 北村真弓
健康教育(集団)の展開/理論活用演習/プリシード・プロシードモデル活用
第 4 章グループ活動・地域組織活動の支援 合田加代子
グループ活動/住民組織活動を通した住民主体のコミュニティづくりと保健師の活動
第 5 章 地域診断演習 山口佳子 野原真理
外国人母の育児支援を通して行う地域診断演習/母子の健康課題
第 6 章 母子保健活動 岩本里織 西嶋真理子
親子を取り巻く環境とニーズ/親と子の個別支援/地域に向けた育児支援/問題を抱える親子への支援
第 7 章 成人期保健活動 岩本里織
地域での取り組み/生活習慣病ハイリスク者への個別支援・重症化予防
第8 章 高齢者保健活動 工藤恵子 猪股久美 浦橋久美子 大越扶貴 鈴木晃
認知症の高齢者と家族、要介護高齢者、転倒・閉じこもり予防の支援
第 9 章 感染症保健活動 工 藤恵子
感染症対策 発生時対応/平常時対応/結核対策 エイズ・性感染症
第 10 章 難病保健活動 森田桂 岡久玲子 多田美由貴
難病対策とさまざまな事業/患者および家族への援助/地域ケアシステム
第 11 章 精神保健福祉活動 大木幸子
地域精神保健福祉活動/個別ケース相談の特性
第 12 章 地区活動 岩本里織
第 13 章 産業保健活動 大越扶貴
◇ 編著/岩本里織 工藤恵子 草野恵美子
◇価格 本体3800円+税
ISBN978-4-911097-07-6
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