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taktile hyoshiタクティールケアは人が人にふれることの癒しの効果を活用したケア方法として、わが国に導入されました。
タクティールとはラテン語の「タクティリス(Taktilis)」に由来する言葉で、「触れる」という意味があります。
タクティールケアは、スウェーデンで開発されたケア手法で、背中や手足をやわらかく包み込むように皮膚を柔らかく撫でるように一定の法則によって触れるタッチとマッサージの中間的な位置づけあります。
“触れる”という行為はケアの原点にある癒しの行為でもあり、さまざまな場面で活用されてきました。
親子のスキンシップは絆を深めるものであり、成長過程においての重要な関わりでもあります。人間関係においても重要な愛情表現や親密な関係を示すものであり、親子の間、男女、友人などさまざまな関係の中で使われてきました。
そして、保健・医療・福祉の現場でもさまざまに手を使って「触れる」ことを活用して心と体の痛みや苦痛を緩和してきました。

本書の執筆者はタクティールケアⅠコースの2日間の講座を受け、100回の実践のレポートを提出し、筆記・実技試験に合格した認定者でもあり、各地で活躍されている方々です。
タクティールケアの研修や認定資格を受けるためには特定の免許の必要はなく、誰でも習うことができます。
そのために、本書の執筆者も看護職・介護職ばかりではなく、障害を持つご本人、臨床心理士、医師などさまざまな立場から、感じているタクティールケアの効果やその活動の内容を書いて頂きました。
お読み頂いた皆様にはその用途の広さやさまざまな効果についてもご理解頂けることかと思われます。
また、タクティールケアの大きな特徴の一つとして、タクティールケアを受けた人ばかりではなく、それを実施した人も同じような心の癒しを受けることがでます。そして、ケアを受けて頂いた方々と心の絆を作ることができることです。
タクティールケアは薬剤のように誰にでも効果を発揮するものではなりませんが、上手くその効果を引き出すことで、それ以上の効果を得ることができます。実践させて頂いた方から予想以上の反応が得られ、タクティールケアを通して相手に興味、関心、そして愛情を持って接することの重要性を実感し、個人としてあるいは専門職としての達成感や成長につながるようです。

タクティールケアが日本に導入されて6年経ちますが、6,000人の方々が講座を受講し、すでに600人以上の方々が認定を取得してさまざまな場面で導入・活用されておられます。
編者たちも本書の編集作業を通して改めてタクィテールケアの普及を再確認することができた次第です。
タクティールケアという言葉を初めて聞いた方、講座を受講された方、実践に取り組んでみようかなと思われた方々など、本書を手に取られたすべての皆様に広くご活用頂ければこの上ない喜びです。

本書「はじめに」より   編集者 鈴木みずえ、千葉京子、木本明恵、原智代

目次

第1章 さまざまな場面で活用されるタクティールケア
第2章 施設におけるタクティールケアの導入・実践
第3章 タクティールケアの意義と認知症高齢者に対する有効性
第4章 看護基礎教育におけるタクティールケアの意義
第5章 タクティールケアを体験してみよう
第6章タクティールケアを実践するためのQ&A
資料  タクティールケア習いたいあなたへ


編者

鈴木みずえ: 浜松医科大学地域看護学講座 教授 保健師
本木明恵: 日本スウェーデン福祉研究所シルヴィアホーム認定インストラクター 看護師原智代: 日本スウェーデン福祉研究所シルヴィアホーム認定インストラクター 介護福祉士
千葉京子:日本赤十字看護大学准教授 看護師

 

 

好評発売中!
発行 2012年5月
編者 鈴木みずえ 本木明恵 原智代 千葉京子
定価 2,100円(税込み)

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